水曜日には雨が降ります

　誰だってお休みの日がお天気だといいなあ、と思うでしょう。

天気予報で「土日は雨です」なんて言われたら、前の日の夜からがっかりして、なんにもしたくなくなってしまいます。

お天気って、そのくらい心に影響を与えるのです。

　宇宙にまで行くことができる人間が、どうしても思うようにできないもの、それが天気です。

今日は晴れとか雨なんて決めるのは、空の上にいる神様です。

神様はとっても偉いのですからね。

だけど、神様は人間の願いごとを聞くのも大事な仕事です。

もしかしたら、それが一番大きな仕事かもしれません。

みんな、神様にお祈りするでしょう？

「あした天気になりますように」って。

この場合の天気は、晴れの意味で使われますね。

本当は、いい天気って晴れだけじゃないんですけど。

　さて、神様はみんなのお願いを聞いてあげたいけれど、雨も降らさないといけません。

これも大切な仕事です。

何曜日を雨にしたらいいだろうなあと、神様は考えます。

　月曜日。

この日は動物園がお休みです。

毎日お客さんに見られて疲れた動物たちを、ゆっくり休ませてあげたいですね。

せっかくのお休みに雨を降らせては、かわいそうです。

それに、みんなが会社や学校に行く最初の日に雨だと、一週間なんとなく嫌な気持ちになります。

だから月曜日は晴れ。

神様は、カレンダーの月曜日に晴れのシールを貼りました。

　土曜日と日曜日はお休みだから晴れがいいですね。

もしかしたら、前の日から旅行をする人がいるかもしれないから、金曜日も晴れ。

　さあ、これで雨を降らせてもいい日は、火曜日、水曜日、木曜日になりました。

そこへ、美容院にお勤めしている女の人のお祈りが届きました。

「わたしは火曜日しか休めません。毎日遅くまで仕事をしていて、洗濯物も溜まっています。火曜日は、どうぞお天気にしてください」

　あらあら。

着る物がなくなってしまうなんて、それは大変です。

火曜日は晴れになりました。

　木曜日を雨にしようかな、と思っていた神様のところに、植物たちからお願いが届きました。

続きは短篇集でどうぞ。