青いながぐつ
ちいさなねずみくんが、ながぐつをみつけました。
「わあ、すてきだな」
ねずみくんは、かたほうのながぐつをひきずって、くさむらにもっていきました。
「ねえ、こんなすてきないえをみつけたよ」
ねずみくんのこえに、なかまのねずみがあつまってきました。
「へえ、すみごこちのよさそうないえだね」
「あめも、ちゃんとふせげるね」
「ねずみくん、いいものみつけたね」
みんながはなしをしていると、としよりねずみがやってきました。
「それは、わしのおじいさんがみたという、うみのいろににているなあ」
「うみ？」
ねずみくんは、うみをしりません。
ねずみくんだけでなく、ここにいるみんなも、このとしよりねずみでさえも、はなしにしかきいたことがないのです。
「そう。うみは、おおきなおおきなみずたまりじゃ。
きれいなあおいろをしていて、さかなというものがすんでいるそうじゃ」
ねずみくんは、もりじゅうにひろがる、おおきなみずたまりをそうぞうしました。
あおいながぐつにはいってみると、うみのなかにいるようなかんじがしました。
ねずみくんは、じぶんがさかなというものになったのではないかと、おもいました。
ねずみくんは、このいえにすむことにきめました。
さて、ねずみくんがもっていったのは、ながぐつのかたほうだけでしたね。
もうかたほうは、どうなったかというと、ちゃんとべつのどうぶつにみつけてもらいました。おおきなぞうさんです。
ぞうさんは、ながぐつをみつけると、あたまにかぶりました。
「わあ、とってもいいぼうしだな」
ぞうさんは、からだはおおきいのですが、せのたかさでは、きりんさんにまけてしまいます。いつもきりんさんが、
「わたしは、そらのくもとおはなしできるの」
と、いっているのを、うらやましくおもっていたのです。
ぞうさんは、そらとおなじいろのぼうしをかぶったおかげで、
きりんさんよりも、もっとそらとなかよくなれるようなきがしてきました。
そして、ぼうしをかぶって、さんぽにでかけました。
続きは短篇集でどうぞ。