かたつむりのまいちゃん
まいちゃんは、げんきなかたつむりです。あそぶことがだいすきで、ねるのがきらいです。
ことしも、ふゆがちかづきました。かたつむりたちは、たくさんのはっぱをたべています。
「まいちゃんも、いっぱいたべなくちゃだめだよ」
なかまがいいました。
「どうして?」
「とうみんするからさ」
「とうみんって、なあに?」
「さむいふゆに、ねてすごすんだよ」
「まあ! わたしは、そんなのいやだわ」
まいちゃんは、ふゆじゅう、ずっとねているなんて、たいくつだし、もったいないとおもいました。
そこで、あたたかいばしょをさがして、たびにでることにしました。
ふゆのさむさをしらないまいちゃんは、なかまがとめるのもきかずに、でかけました。
でも、かたつむりは、はやくあるけません。いちにちごとに、さむくなってきます。まいちゃんは、
(ばかなことをしたかなあ)
と、おもいました。
(もしかしたら、わたし、こごえてしんじゃうのかなあ)
そんなふうに、こころぼそくなったとき、まいちゃんは、ごみすてばでいいものをみつけました。
こたつです。
ちょっとこわれているみたいですが、まだまだつかえます。
「みんな、ただいま」
一かげつぶりに、なかまのところにもどったまいちゃんは、からのかわりに、こたつをせおっていました。
「なあに、それ?」
「なまえはしらないけど、いいでしょう?」
「ふうん。なんだか、おもそうだね」
「ちょっとおもいけど、それよりねえ……」
まいちゃんは、とてもあったかいわよと、さそいました。みんなは、おそるおそる、ちょっとだけはいってみました。
「わあ。あったかい」
「ね? これなら、さむいふゆもだいじょうぶでしょ」
「いいなあ、まいちゃん」
まいちゃんは、とくいになりました。
続きは短篇集でどうぞ。