すなばのおとしもの
こうえんのすなばに、なにかがひかっています。
「あ！ おひさまのかけら」
さいしょにみつけたのは、おとこのこ。まっくろにひやけして、たいようのこどものようです。
「あんまりきもちがいいものだから、おひさまのやつ、うたたねしていて、かけらをおとしても、きがつかないんだ」
みあげたそらには、くもひとつなく、ひざしはおしみなくふりそそいでいます。
「あら。それは、ことりがおとしたなみだでしょう？」
そういったのは、おんなのこ。とうめいなまるをつまみあげ、そらをすかしてみています。
「そらがあんまりひろいから、なんだかかなしくなってきて、おかあさんをおもいだしたの」
なまえもしらないとりがきて、えだにとまってないています。
「ちがうわ。それは、うみのたまご」
すなのケーキをいくつもつくり、こいしをかざったおんなのこ。こえだのろうそくも、たっています。
「すなばにあるのは、うみのすな。かいやさかなが、ねむるうみ。
それがたまごになったから、こんなにすてきにひかるのよ」
うみのたまごをてにつつみ、あたためるすがたはおかあさん。
「ちがうよ。ほしのしずくだよ」
すべりだいをおりてきた、めがねをかけたおとこのこ。
てんもんファンのおとうさんと、よぞらをみたのがじまんです。
「このあいだのよるのながれぼしが、ひとつだけ、ここにおちてきたんだ。ぼくは、このめでみたんだよ」
つぎのひは、とてもねむかったけど。
「それは、きのうのシャボンだま」
ぶらんこをやめてやってきた、おかっぱあたまのちいさなこ。シャボンだまをなげあげました。
「おねえさんとあそんだときに、ぱちんときえるのがかなしくて、
きえないでっておねがいしたから、こうしてのこっているのでしょう」
そらにかえれなかったシャボンだまは、にじいろにかがやいて、 おちてきました。
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