るるちゃんのしっぽ

るるちゃんが、おにわであそんでいると、となりのいぬのジョンが、こっちをみていました。

ジョンは、しっぽをふって、いっしょにあそぼうといっています。

るるちゃんは、じぶんのおしりをみてみました。

でも、よくわかりません。

あんまりうしろをむいたので、とうとうころんでしまいました。

「ママー」

るるちゃんは、ママのところにいきました。

「ママ、るるちゃんに、しっぽある？」

「ありませんよ」

ママは、るるちゃんのおしりのよごれを、パンパンとはたいてくれました。

そのとき、いえのまえのみちを、ねこがあるいていくのがみえました。

ねこは、しっぽをぴんとたてて、おすまししています。

「いいなあ。ねこにもしっぽがある」

るるちゃんは、

「ほかのどうぶつはどうかな」

とおもって、えほんをみてみました。

ぞうにも、きりんにも、うさぎにも、くまにも、かんがるーにも、しっぽがありました。

「るるちゃんも、しっぽがほしいなあ」

というと、ママにわらわれました。

でも、るるちゃんはあきらめられません。

どんなしっぽがいいかなと、いろんなえほんをひろげてみました。

りすのような、ふわふわですてきなしっぽがいいとおもいました。

そして、とんぼや、かまきりや、かえるには、しっぽがないこともわかりました。

るるちゃんは、にんげんは、りすよりもかえるににているんだなと、がっかりしました。

そこへ、パパがかえってきました。

「パパ、おかえりなさい」

るるちゃんは、パパにとびつきました。

そのとき、るるちゃんはたいへんなことにきがつきました。

（あ！　パパに、しっぽがある）

るるちゃんには、パパのネクタイが、しっぽにみえました。

るるちゃんは、いそいでママのところにいきました。

おりょうりをしているママのおしりには、エプロンのひもがさがっていました。

（ママにも、しっぽがある！　どうして、るるちゃんだけしっぽがないの）

るるちゃんは、かなしくて、なきだしてしまいました。

ママはびっくりして、るるちゃんをだきしめました。

それから、るるちゃんがないたわけがわかると、

「いいものあげるね」

といいました。

それは、ピンクいろのリボンでした。

ママは、リボンをるるちゃんのかみのけにむすんでくれました。

るるちゃんにも、かわいいしっぽができたのです。

るるちゃんが、ぴょんぴょんはねると、リボンもたのしそうにはねました。